『のりものマメ知識』 東北のローカル線と恋愛成就の駅?-三陸鉄道

海と山が隣接し海岸線がノコギリの刃のようにキザギザになっている地形「リアス式海岸」。今回はそのリアス式海岸沿いを走る、東北のローカル第三セクター鉄道をお送りします。
三陸鉄道は岩手県に路線を持つ第三セクターの鉄道路線で、「南リアス線」と「北リアス線」の2路線を保有しています。両線とも非電化で写真の36形気動車が運行されています。
三陸鉄道は、国鉄が建設し「日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)」に基づき廃止されることとなった、盛(さかり)線、宮古(みやこ)線、久慈(くじ)線と、のりものマメ知識では常連となった「日本鉄道建設公団(鉄道公団)」によって建設が進められていた区間を引き受け、盛駅と釜石(かまいし)駅を結ぶ「南リアス線」と、宮古駅と久慈駅を結ぶ「北リアス線」として1984年に誕生しました。日本初の第三セクター鉄道路線でもあり、第三セクターが赤字路線をどのように立て直すのかが注目され、当初は黒字となったことで有名になりました。

▲ 三陸鉄道の路線は離れたところに2本あります
地図をご覧いただくとわかるように、両路線は途中にJRの山田線を挟んでいるため直接はつながっていません。しかし「南リアス線」、山田線、「北リアス線」を通して運行される列車も存在するので、三陸鉄道の両路線を通しで乗ることは可能です(2010年8月現在)。
さて、三陸鉄道の「南リアス線」にはちょっとユニークな駅があります。その駅名は「恋し浜(こいしはま)駅」。なんともロマンチックな駅名です。この駅は1985年に開業し、当時は「小石浜(こいしはま)駅」と読みは同じですが名称が異なっていました。「恋し浜駅」に駅名が変わったのは2009年のこと。この地で採れていたホタテ貝のブランド名「恋し浜」を活かし、恋愛成就の駅としてのイメージアップをはかるべく現在の駅名に変更されました。駅舎内にはホタテ貝の貝殻を絵馬とみたてた「ホタテ貝の絵馬かけ」があります。願い事が書かれた数多くのホタテ貝がつるされた光景を見ることができます。
もう一つ、今度はユニークな列車をご紹介します。三陸鉄道の名物としてレールファンならおなじみの「リアスシーライナー」という臨時列車が運行されます。この列車は基本的に夏期に運行される臨時列車で、仙台駅と青森県八戸駅を三陸鉄道を経由して乗り換え無しで結ぶ列車です。念を押しますが東北新幹線ではなく、JR東日本の在来線と三陸鉄道の「南リアス線」、「北リアス線」を経由して運行される列車です。仙台駅から八戸駅の所要時間はなんと約10時間!距離は約400km(営業キロ)!2010年7月23日ののりものマメ知識でお送りした「飯田線」の直通列車は約6時間ですので、飯田線の電車も真っ青ですね(現に飯田線の119系は登場当時の青色に塗装された編成がいますが…)。なお、同区間を東北新幹線の「はやて」で旅すると約2時間程度。お時間に余裕がある方、長旅を楽しみたい方、レールファンの方は「リアスシーライナー」で東北の太平洋沿岸をのんびりと旅するのもいい…のかもしれません。
…ちなみにのりものマメ知識作成メンバーでこの列車を通しで乗った強者はいませんでした。

次回は久しぶりに路面電車ののりものマメ知識をお送りします。お楽しみに!