『のりものマメ知識』 歴史的有名人の名前が駅名に-智頭急行

新種の草花や虫、細菌、新しい惑星や彗(すい)星を見つけたとき、それらの名称は自由に付けることができるそうです。もし自分が何か発見したら、自分の名前を付けてみたいなぁ…、などと考えている筆者ですが、今回はとある有名人物の名前がついた駅がある第三セクター鉄道、「智頭(ちず)急行」のお話です。
 
智頭急行智頭線は、兵庫県の上郡(かみごおり)駅から鳥取県の智頭駅を結ぶ第三セクターの鉄道路線です。同線は全線非電化であり、すべてディーゼルカーで運行されています。

同線は特急列車も運転されており、同社のHOT7000系気動車による「スーパーはくと」やJR西日本から乗り入れるキハ187系気動車の「スーパーいなば」が運行されています。両車ともカーブ区間では車体を傾斜させて遠心力を打ち消し、さらなるスピードアップをはかれる「振り子機能」を搭載しており、山陰と山陽を結ぶ重要な特急列車として運転されています。


▲ 智頭急行智頭線の路線図。兵庫県、岡山県、鳥取県にまたがっています。ちなみにHOT7000系の「HOT」はHyogo(兵庫)、Okayama(岡山)、Tottori(鳥取)とローマ字の頭文字を取ったものです。

ではここで智頭急行の歴史をちょっと紐解いてみましょう。古くからこの地は山陰と山陽を結ぶ路線として鉄道建設の運動が起きていました。1922年の「鉄道敷設法」によって現在のルートが選定されました。その後、1966年からのりものマメ知識ではおなじみとなった日本鉄道建設公団(鉄道公団)によって鉄道の建設が進められました。ところが、1980年にはこれまたおなじみとなった日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)により工事が中断されてしまします。その後第三セクターの智頭急行により工事が再開され、1994年12月に開業しました。
 
智頭線の特徴は高規格路線であること。踏切がほとんどなく、特急列車の最高速度は130km/h、普通列車は110km/hとされており高速運転を実施しています。これは以前ののりものマメ知識でお送りした「ほくほく線」と同じような感じですね。「ほくほく線」と異なるのは非電化路線であることです。非電化路線でディーゼルカーがこれほどの力走を見せてくれる例は全国でも数少ないです。
 
さて、智頭急行にはちょっと変わった名称の駅があるのをご存じでしょうか?その駅には「とある人」の人名がフルネームで付けられています。その人物とは「宮本武蔵」。宮本武蔵といえば江戸時代初期の天下の剣豪として名を馳せた人物です。佐々木小次郎との巌流島の決闘や、自身の著書「五輪書(ごりんのしょ)」でも有名です。「宮本武蔵駅」付近に宮本武蔵の生誕地伝承があることからこの名前が付けられました。
 
この他、人名がついた駅名は全国各地存在します。同じ西日本で例を挙げると、2010年8月2日ののりものマメ知識でお送りした「記念すべき1番列車は「1」がいっぱい-井原鉄道」の井原鉄道にある吉備真備(きびのまきび)駅は、奈良時代の遣唐使である「吉備真備」のフルネームが付けられています。
 
宮本武蔵が天下の剣豪であったからフルネームで駅名になった…、とすると、何か偉大な功績を残せばもしかしたら自分の最寄り駅名が自分のフルネームになる…、かもしれませんね。

次回も第三セクター鉄道路線をご紹介します。お楽しみに!