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JR九州の肥薩(ひさつ)線は熊本県の八代(やつしろ)駅~鹿児島県の隼人(はやと)駅を結ぶ路線です。「川線」と呼ばれる八代駅~人吉(ひとよし)駅間に走る「SL人吉」号や、「山線」と呼ばれる人吉駅~吉松(よしまつ)駅間の矢岳(やたけ)越えにはループ線やスイッチバックなどの名物があります。今回はその肥薩線にある名物駅舎のお話です。 その名物駅舎は肥薩線の嘉例川(かれいがわ)駅にあります。写真のような木造建築の駅舎です。嘉例川駅は20世紀初頭の1903年に開業した駅です。開業当時の木造駅舎が現存しており、同じ肥薩線にある大隅横川(おおすみよこがわ)駅と共に九州で最古の駅舎と言われています。その趣のある木造建築が評価され、2006年に登録有形文化財となりました。肥薩線を走行する特急「はやとの風」も当駅に停車します。停車時間が数分間と長めに設定されており、停車中に駅舎を見学することができます。
現在の肥薩線は前述のように八代駅~隼人駅を結ぶ路線ですが、この路線の歴史をさかのぼってみるとちょっとおもしろいことがわかります。上の路線図を見ながら、歴史を紐解いてみましょう。 今から100年以上前の1903年、当時すでに開業していた「鹿児島線」を延長する形で、国分(こくぶ)駅(=現在の隼人駅)~横川駅(=現在の大隅横川駅)間が開通しました。同時に名物駅舎の嘉例川駅も開業します。路線名も「鹿児島線」と命名されました。後に横川駅~吉松(よしまつ)駅間が開業し、1909年には既に八代~人吉間で開業していた「人吉線」を合わせ、福岡県の門司(もじ)駅(=現在の門司港駅)~鹿児島駅間が「鹿児島本線」となりました。これには嘉例川駅舎もビックリ…したかどうかは定かではありませんが、名高い本線の駅となりました。 現在の鹿児島本線は門司港駅~八代駅、途中に「肥薩おれんじ鉄道」を挟み、川内(せんだい)駅~鹿児島駅と海側のルートを通っています。開業当時の同線は、現在の肥薩線、すなわち山沿いを経由していました。このように今と昔でルートが大きく異なる路線は全国にいくつかあり、例えば御殿場(ごてんば)線(神奈川県の国府津(こうづ)駅~静岡県の沼津駅)は旧・東海道本線であった、などが有名ですね。 さて、1927年に海沿いのルートが開業すると、「鹿児島本線」はそちらを経由するようになります。同時に、元・「鹿児島本線」は現在の「肥薩線」に名前を変え、現在に至ります。開業当時からたたずまいの変わらない嘉例川駅舎ですが、目の前を走る路線は2回も名前を変えているのです。これには嘉例川駅舎も再びビックリ…したかどうかは定かではありませんが、現在は「肥薩線」の名物駅舎として、今日も発着する列車と訪れるお客様を見守っています。
ゆったりのんびり走るローカル線もよいですが、次回は高速進行!の特急電車をお送りします。お楽しみに! |






