『のりものマメ知識』 ここにはいつでも「虹」がある-京王井の頭線

さわやかなパステルカラーが目を引く電車が走る京王井の頭線は、東京都の渋谷と吉祥寺を結ぶ路線です。1933年に一部区間が開業し、翌1934年に現在の全区間が開業しました。

2010年2月現在井の頭線で活躍している電車は1000系(写真)と3000系です。この特徴的なカラーリングは、1962年に登場した3000系電車が先頭車の前面部分にパステルカラーを用いたFRP(繊維強化プラスチック)を使用したことに始まります。3000系電車はステンレス車体が特徴ですが、金属的なイメージのある電車のイメージアップを図るべく前面のカラーリングを実施したと言われています。3000系は登場から長年にわたり井の頭線の「顔」として活躍してきましたが、老朽化が進むにつれ徐々に廃車がはじまりました。しかし一部編成は更新工事を受け現在でも活躍しています。更新後の3000系は前面がFRPから普通鋼に変更されましたが、特徴ある「顔」の色はしっかりと引き継がれています。

1995年には後継車として1000系が登場。1000系も3000系と同様ステンレス車体ですが、構造が大きく異なります。輸送量増大のために車体長や車高を大きくしたため、3000系よりも大柄な印象を受けます。また、ドアの数も3ドアから4ドアになるなど、3000系とずいぶんと違う姿をしています。しかしシンボルである「顔」のカラーリングはしっかり引き継がれており、井の頭線の「ニューフェイス」として活躍中です。

井の頭線名物の「顔」の色は、2009年前半までは「ブルーグリーン」、「アイボリー」、「サーモンピンク」、「ライトグリーン」、「バイオレット」、「ベージュ」、「ライトブルー」の合計7色でした。その後2009年5月頃より「ベージュ」を「オレンジベージュ」に順次変更しており、一時的に8色となっていますが将来的には7色のレインボーカラーとなる予定です。電車どうしのすれ違い時や、永福町での急行・各駅停車の接続時など、複数の電車が並ぶととても華やかです。

また、井の頭線は他の京王電鉄の路線と「あること」が大きく異なっています。それは軌間(レールの幅)です。井の頭線の軌間は1067mm(一般的に「狭軌」と呼ばれます)ですが、他路線は1372mm(「馬車軌間」と呼ばれます)です。井の頭線の電車は京王本線系統を走ることができず、また逆も同様です。これは井の頭線と本線系統とで開業時の運営会社が異なることに由来します。つまり「カラフルフェイス」の車両は京王電鉄では井の頭線でしか走行できないため、「カラフルフェイス」を見ることができるのは井の頭線だけなのです。ご乗車の際は、「次に来る『顔』は何色だろう?」など、あなたなりの楽しみを見つけてみるのはいかがでしょうか?