『のりものマメ知識』 美しい景色を存分に-パノラマ型グリーン車

写真の特急「スーパーくろしお」に連結されている大きな窓が特徴の車両は「パノラマ型グリーン車」と呼ばれています。パノラマ型グリーン車の大きな特徴は、言うまでもなく前面を展望できることです。鉄道ファンならずとも、運転士の気分になって景色を見てみたいと思った方は多いのではないでしょうか?「パノラマ型グリーン車」では前面の大きなガラス窓からはエメラルドグリーンの海、美しい海岸線の風景など、迫力のある前面展望を思う存分楽しむことができる構造となっています。

特急「スーパーくろしお」は、京都・新大阪と和歌山県の白浜(しらはま)・新宮(しんぐう)を東海道本線、大阪環状線、阪和線、紀勢本線を経由して結ぶ列車です。紀勢本線の和歌山~新宮間は海岸に沿って走行する部分が多く、緑豊かな山々と美しい海が接する絶景の中を走ります。しかし複雑な海岸線沿いを走るためカーブが多く、これが列車スピードアップの大きなネックとなっていました。そこで「スーパーくろしお」で使用されている381系はカーブ通過時に車体を内側に傾け、遠心力を中和しスピードアップと乗り心地改善を両立させた「振り子装置」を装備しています。

「スーパーくろしお」が非常に人気であったため、1996年には新形の283系電車による「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」が登場。翌1997年に「オーシャンアロー」と名称を変更し、381系とそろって活躍を続けています。283系も381系と同様に「振り子装置」を装備し、快適な乗り心地と速達性を両立しているのはもちろん、人気の高い「パノラマ型グリーン車」が連結されています。

「パノラマ型グリーン車」は、「スーパーくろしお」と「オーシャンアロー」以外に大阪~金沢を結ぶ特急「雷鳥」などにも連結されています。日本海沿いを走る「雷鳥」からは自然豊かな景色楽しむことができますが、実はもうすぐ見納めとなってしまいます。すでに新形車の置き換え計画が発表されており、「パノラマ型グリーン車」は近いうちに消滅してしまう予定です。こちらの「パノラマ型グリーン車」にご乗車の方はお早めにどうぞ。