
新年あけまして、おめでとうございます。
さて、近年の冬の風物詩といえばライトアップですね。ライトアップとならんでお勧めなのが、空気が澄んだ冬ならではの夜景。遠くまではっきりと見えることが多い季節です。函館山から見下ろす市街地のきらめきは、日本三大夜景の一つとされていますが、私のような乗り物ファンにとって、函館の魅力は他にもいろいろとあります。
なかでも、青函連絡船で渡道経験がある人にとって、函館はいまだに連絡船が着く街という印象が強いのではないでしょうか?1987年の青函トンネル開通によって使命を終えた国鉄青函連絡船(最後の1年はJR北海道の運航)は、鉄道で北海道に行かれた人にとって印象深いものでした。船に乗る機会があまりないレールファンにとっては、青函連絡船が唯一の本格的な船旅だったという人も少なくありませんでした。当時は、道内の国鉄(JR)線がバスも含めて乗り放題になる「北海道ワイド周遊券」があり、学生を中心にこのきっぷの愛好者が多くいました。北海道の往復に時間はかかりますが、夜行列車も多くあった当時は、様々な経路で青森を目指すことができました。その青森から青函連絡船に乗り、北海道の第一歩を印したのが函館だったわけです。長旅の末に、ようやく上陸できたことで心が躍ったものです。
この写真の中央やや下にあるライトアップされた船が、保存されている元青函連絡船「摩周丸」です。内部は記念館として改造されているものの、客席の一部が残され、ブリッジなども開放されています。青函連絡船に思い出がある人はもちろん、連絡船がある時代を知らない人も一度は訪れたい設備です。
船の右側にある高架道路の奥には、カーブしたホームが特徴の函館駅が見えます。ちょうど高架道路の位置に青函連絡船が着岸していました。駅のホームは、ほとんど変わっていないはずです。連絡船利用経験がある人は、下船して連絡通路を通って、この曲がったホームに降り立った覚えがあるでしょう。上野を夕刻に出る特急「はつかり」の最終列車や大阪から丸一日かかって青森まで走っていた先代の特急「白鳥」に接続していた夜行便で函館に着くと、ホームの両側で釧路行きの特急「おおぞら」と旭川行きの特急「北海」が並んで待ち受けているという時代は長く続きました。長編成のディーゼル特急が連絡船を待ち受ける光景・・・まさに国鉄が長距離輸送の主役だった時代を象徴する光景でした。その名残が、函館山の山頂からでもはっきり見える長いホームなのです。
青函トンネルが開通した今でも、旅客列車は大多数が函館を終着としており、本州と道内の行き来には函館で乗り換えが必要なことが多いのです。数少ない本州と道内の直通列車も、大半は函館で機関車を交換しています。依然として、函館が鉄道で北海道を目指す場合の玄関口であることには違いありません。しかし、函館駅ホームが連絡船時代のような盛り上がりに欠ける気がするのは、贅沢なノスタルジーなのでしょうね。
函館の魅力は他にも、市電、JR貨物の機関車、津軽海峡を横断するフェリー、夜景の展望台である函館山に上るロープウェイなどまだまだあります。何度も訪れている函館ですが、魅力が尽きることがありません。