
新幹線100系電車は、初代新幹線車両である0系電車の後継として1985年に登場した車両です。登場当時は、まだ国鉄でしたが、JRとなった後も1992年まで製造が続き、合計で1056両が新製されました。
最大の特徴は、新幹線で初めて2階建て車両が登場したことです。1編成中に2両組み込まれた2階建て車両は、1両がグリーン車、1両が食堂車となりました。また、先頭部が0系に比べてよりシャープな印象をもつ形状に変り、東北新幹線の200系電車にも同じ前頭部を持つ車両が現れるなど新たな新幹線のイメージを作りました。0系とは見た目がまったく違う100系ですが、220km/hという最高速度は変っていませんでした。
JR東海では、食堂車に代って1階部分がカフェテリア、2階部分がグリーン車となった編成を続々と登場させました。先に登場した食堂車付き編成は、東京~博多間を最速で結ぶ「ひかり」に限定して使用され、それ以外の「ひかり」では次第にカフェテリア付き100系が増えていきました。
一方、JR西日本が製造した100系は、東京~博多間の「ひかり」用として2階建て食堂車が1両、2階建てグリーン車が3両の2階建てが4両ある編成です。グリーン車の1階部分は普通車指定席ですが、座席が5列である通常の普通車と異なり、4列の座席を備えてたゆったりした車内が特徴でした。さらに、山陽新幹線での最高速度を向上させるために270km/hで走行可能な性能で製造しましたが、騒音・振動などの沿線環境の面から速度向上は230km/hにとどまりました。この編成には「グランドひかり」という愛称が与えられ、「のぞみ」が誕生するまでは東海道・山陽新幹線を代表する列車ととして活躍しました。しかし、「のぞみ」が主流となると、100系が活躍できる場所は次第に狭まり、今では山陽新幹線の「こだま」が唯一の舞台となっています。
東海道新幹線と違って、「こだま」の需要が少ない山陽新幹線では、4両編成や6両編成が必要となり、2000年から「グランドひかり」を短編成化した編成が使われています。さらに、2002年から白い車体の窓周りに濃い青色を配するという東海道新幹線開業以来の伝統的な塗装を変更しています。新塗装は、ライトグレーの車体の窓周りにダークグレーを配し、窓下にはライトグリーンの帯というJR西日本オリジナルのデザインになっています。
東海道新幹線の「こだま」で使われていた16両編成の100系が引退した現状では、山陽新幹線「こだま」用の編成が、最後の100系となっています。