
江ノ電の愛称で知られる江ノ島電鉄は、JRの東海道本線や小田急の江ノ島線に接続する藤沢と、横須賀線に接続する鎌倉を結ぶ私鉄です。沿線には、会社名でもある江ノ島とそこに続く湘南海岸、長谷寺や鎌倉などの観光名所が多くあるほか、人家の軒先を走ったり道路の真ん中を走ったりする個性的な鉄道として知られ、多くの観光客が利用します。
観光客の利用が多いと言えば、嵐電(らんでん)の愛称で親しまれる京都の京福電気鉄道も挙げられます。都心の四条大宮と渡月橋で知られる嵐山を結ぶ嵐山本線と、北野天満宮に近い北野白梅町を起点とする北野線を運行しています。同社の沿線には、石庭で有名な龍安寺、御室桜で知られる仁和寺、東映太秦映画村など観光名所も数多くあります。嵯峨野・嵐山への足としてだけでなく、沿線を巡る多くの観光客に親しまれています。
この2社が、2009年10月14日・・・つまり今年の「鉄道の日」に、姉妹提携の調印を行いました。両社には、「日本を代表する観光地である古都に立地すること」や「併用軌道があり電車が道路上を走ること」などの共通点があります。さらに、来年の2010年には、「江ノ電が全線開通100周年」及び「嵐電が開業100周年」という節目であることから提携に至ったそうです。
箱根登山鉄道、富士急行、大井川鐵道、JR北海道が姉妹鉄道提携を行っていますが、いずれも提携先は海外の鉄道です。また、共同キャンペーンなどの営業活動を協力して行う例は時々あり、実はこの江ノ電と嵐電の間でも過去にあったそうですが、国内の鉄軌道会社同士で正式に姉妹提携を結ぶのは、江ノ島電鉄と京福電気鉄道が初めてです。
これを記念して、10月14日から両社それぞれで記念塗装車が走っています。嵐電では、江ノ電塗装となった写真の「江ノ電号」、江ノ電では、嵐電塗装となった「嵐電号」です。色調や塗り分けが異なるとはいえ、両社共に緑色とベージュ色を基本とする塗装ですので、違和感はありません。2011年3月末まで走る予定と告知されていますが、ヘッドマークはともかく、塗装自体はもう少し長く見たいものです。
電車の塗装の他に、姉妹提携を記念してイメージキャラクターとその名称の公募も行われています。来年には、スタンプラリー開催や姉妹提携イメージキャラクターを使ったグッズの販売が予定されているそうです。
いろいろと魅力がある鉄道だけに、今後の協力で、さらに興味深い企画が現れることを期待できそうです。