本サイト「駅すぱあとBlog」は「駅すぱ図書館」としてリニューアルいたしました。
これに伴い「駅すぱあとBlog」は9月30日をもちまして終了させて頂きます。
リニューアルされたお楽しみコンテンツ「駅すぱ図書館」を今後ともよろしくお願いいたします。

弁天様の琵琶が「しゃもじ」に 広島駅・しゃもじかきめし【後編】

しゃもじかきめし毎年10月になると、広島県の沿岸部は牡蠣の水揚げが解禁になります。海中に備え付けてあったワイヤーをクレーンで釣り上げると、びっしりと張り付いた牡蠣が出現。その姿もこの季節の風物詩といえるでしょう。



広島湾は波が穏やかで、山が蓄えた栄養分が太田川をつたって湾に流れ込むため、牡蠣の生育に適しています。養殖もさかんで、一説によれば全国に先駆けて室町時代から行なわれているとか。冬になると広島湾で獲れた牡蠣は大阪へ運ばれ、貴重なたんぱく源として尊ばれていたそうです。



現在でも、広島県産の牡蠣は全国の出荷量の半分以上を占めています。当然ながら牡蠣を扱った料理も他の地域に比べて多彩。その代表格といえるのが牡蠣の土手鍋です。鍋の周囲に味噌を塗り、牡蠣をはじめ野菜や豆腐をグツグツと煮込んだ土手鍋は、広島の冬の味覚として今もなお人気。使用する味噌は、広島県府中市名産の白味噌「府中味噌」が主に使われます。



広島湾の西岸に浮かぶ宮島もまた、牡蠣の養殖がさかんな地。天橋立、松島とならび、日本三景のひとつに数えられる“安芸の宮島”です。海にそびえたつ世界遺産・厳島神社の大鳥居の美しさは、誰もが認めるところですよね。駅弁「しゃもじかきめし」のパッケージにも、大鳥居の写真が掲載されています。

しゃもじかきめし

ところで、なぜ広島・宮島の名産が「しゃもじ」なのか?これは18世紀末に宮島の浄土宗の寺院、光明院で修行していた僧侶、誓真(せいしん)が、この地の産業として奨励し、木工技術を広めたことが始まりだと言われています。弁財天の持つ「琵琶」がしゃもじに似ていることから、参拝のお土産としてはどうか、と提案したわけです。そのため、実用的なしゃもじの生産はもとより、ご利益(りやく)のある「お守り」として機能するようにもなりました。高校野球で広島県の高校の応援団は、「必勝」などの文字が書かれたしゃもじで応援する姿をよく見ますよね。しゃもじのことを「宮島さん」と呼ぶ風習も一部地域では残っています。



牡蠣、厳島神社、さらにしゃもじ。冬に広島を訪れるなら、郷土色がふんだんに打ち出された駅弁「しゃもじかきめし」をぜひ食べてみてください。

トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://ekispablog.jp/cmt/mt-tb.cgi/2609