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【週刊ノリスケ】 市電並み?に運航が多いフェリー

桜島フェリー「第十六櫻島丸」と「第十五櫻島丸」

市電というと、さほど待つこともなく次の電車が来るというイメージがあります。その市電のように、運航回数が多いフェリーが鹿児島市営の桜島フェリーです。さすがにラッシュ時の鹿児島市電のように3分間隔というわけにはいきませんが、多くの時間帯で10分間隔で運航してます。しかも、深夜や未明は1時間間隔になってしまうとはいえ、24時間運航ですから、この点では市電より便利です。全国のフェリーを全て調べたわけではないですが、ここまで運航本数が多いフェリーは珍しいはずです。

運航本数という点だけを取り上げると、2社が競合している岡山県の宇野と香川県の高松を結ぶ宇高航路や広島県の宮島航路、多数のライバルがひしめき合う尾道と向島を結ぶ尾道水道横断航路などがありますが、航路の長さや運航する時間帯、船の大きさなどの点で違いが大きく、なかなか似た航路は思い当たりません。

桜島フェリーは、鹿児島港と桜島港を結ぶ航路で、以前は桜島町の町営フェリーでしたが、平成の大合併の結果、今では鹿児島市営となっています。人口60万人を超える鹿児島市内の重要な交通機関であるのみならず、大隅半島と鹿児島市を結ぶ重要な交通機関であるので利用者も多く、運航回数が多いわけです。航路の距離は3.4km、所要時間は15分です。10分間隔で運航する時間帯は、鹿児島港に2ヶ所、桜島港に3ヶ所ある乗り場を交互に使い、対向便の到着と行き違うように出港、途中で同時刻に反対側を出た便とすれ違い、入港すると接岸作業も終わらないうちに対向便が出港していきます。

錦江(鹿児島)湾を迂回していくと、約80kmで1時間半はかかりますから、利用価値は高く、これだけ便数が多くても、多くの車や乗客が乗り込んでいきます。運賃は人だけなら150円と、鹿児島市電の運賃160円よりも安いのです。車の場合、料金は有料道路の料金所そっくりなゲートで、車に乗ったまま支払います。この料金所は桜島側にしかないので、鹿児島から乗った場合、降りてから支払うことになります。初めてのときは「無料で乗ってしまった」とちょっとドキドキしました。

写真のように、短時間航路にしては大きい船を使っています。6隻ある船の総トン数は、502~1279トンと様々ですが、これは車両甲板が1層か2層かとか客室設備の違いで生じている差です。船体のサイズで比べると、どの船も長さは55m前後、幅は13m前後と似たような大きさです。ここの船の特徴は、両頭船と呼ばれるタイプを採用していることです。このタイプは、船首にも船尾にもスクリューと舵を備え、操舵室も両方にあるので、前後どちらでも同じように運航が可能となってます。通常の船ならば、到着か出発の時に方向転換が必要ですが、電車が折り返すように、逆方向に進むだけで済むわけです。小型カーフェリーではよく見られるタイプですが、このサイズの船では珍しい存在です。一見、どちらが前か見分けがつきませんが、よく見ると船首側には錨があり、船尾側には錨がないようです。乗船してしまえば、船室内の多くの椅子は前向きに固定されていますので、どちらが前かはすぐ判ります。桜島の眺めをよくするためか、船首は桜島向きで運航しているようです。

短時間の航路ですが、船内には売店やうどん屋がありちょっとしたドライブイン代わりにもなっています。船によっては、オープンになった甲板にうどんスタンドがあり、潮風を浴びながら食べることができます。

鹿児島駅から歩いて数分でターミナルに着きますので、ちょっと時間が空いたときに気軽に乗れるのも嬉しいですね。

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