
ブルートレインという名前をご存知の方は多いでしょう。
このブルートレインは、昭和33年に20系寝台客車が登場した際、新時代の寝台客車特急の代名詞として名づけられました。当時は「走るホテル」とまで言われた設備を誇っていたものです。昭和50年代になると「ブルトレブーム」と呼ばれる、少年達がブルートレインを追い掛けるブームがやってきました。「SLブーム」に続く鉄道ブームで、いま40歳代の方はこの時代に少年期を送ったことから、鉄道好きの方が多いようです。この「ブルトレブーム」は、その後「スーパーカーブーム」に取って代わられました。
一方、日本の経済成長とともにブルートレインの設備は当たり前の存在になり、単に寝られるだけでなく、よりゆとりも求められるようになっていきました。さらに、航空機の発達と新幹線網の充実、高速バスの発展に加えてビジネスホテルの進化もあり、ブルートレインの利用者は次第に減少していきました。特に、新幹線が新規開業する区間ではブルートレインが削減されるのが常態化して、東海道~山陽本線からは次々とその姿を消していきました。それでも、人口流動の多い太平洋ベルト地帯ですから、航空機を好きになれないとか、寝ているうちに現地に着けると翌日の効率がよいといった利用者が一定割合いるおかげで、なんとか生きながらえてきたのです。
しかし、一世を風靡したブルートレインも時代の波には抗することができず、東海道~山陽本線に最後まで残った「富士・はやぶさ」も、いよいよ一ヶ月後となる2009年3月14日のダイヤ改正で消え去ることになりました。最後の列車は、上り・下りともに3月13日発ですから、終着駅となる東京・熊本・大分の各駅には、それぞれ3月14日の午前に到着することになります。
既に最終列車まで一ヶ月を切っていますので寝台券の入手は難しくなっているようですが、残りの期間は毎日、その姿を見ることが可能です。
東京発は18:03なので、平日の仕事帰りには厳しい方も多いでしょう。しかし、休みの日ならば東京駅はもちろんのこと、18:28発の横浜駅や途中の通過駅でも見かけることができます。また、名古屋駅は22:45着22:47発ですので、名古屋圏にお住まいの方や出張で名古屋圏に泊まりになる方でしたら、同駅や通過駅などで見送った後でも終電に間に合う方が多いでしょう。関西圏は流石に深夜の通過となるのでお勧めできませんが、山口県なら徳山6:53発、新山口7:33発など、早朝に起きて出掛けて間に合う時間です。まして、九州内であれば無理なく見られる時間に走っています。ちなみに、終着は大分11:17、熊本11:49です。
上りは、熊本発15:57、大分発16:43とゆっくりです。両列車が連結される門司でも19:15発ですから、この方面に行かれる方はその姿を見やすいですね。その後、山陽本線を上っていきますが、広島でも22:37発ですので、駅で見送るにも無理のない時間です。翌朝は浜松が6:31発ですから、この先の東海道本線ではどこでも朝日に輝く「富士・はやぶさ」を見ることができます。ちなみに、終着の東京は9:58着です。
ヘッドマークを颯爽と掲げて走る青い寝台客車特急は、遠からずブルートレイン発祥の地である東海道・山陽本線、それに九州から消えてしまいます。その前に、最後の別れを惜しんでみてはいかがでしょうか。
なお、残るのは、上野と大阪から東北・北海道・北陸の各地を結ぶ「北斗星」「あけぼの」「北陸」「日本海」「トワイライトエクスプレス」の各列車となります。この他の寝台特急は「カシオペア」と「サンライズ瀬戸・出雲」だけですから、随分と寂しくなりましたね。