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【週刊ノリスケ】 みぞ・ロープに注意!な踏切

みぞ・ロープに注意!な踏切

右の写真は、一見ごく普通の踏切ですよね。でも、「踏切注意」の左側に赤い文字で「みぞ・ロープ」と書いてあります。あれ? と思ってよく読むと

 この踏切には「みぞ・ロープ」が
 あるので注意して下さい。

と書いてあります。踏切にある「みぞ」って? まして「ロープ」ってなに? と思いませんか。
これは、近鉄生駒(いこま)鋼索(こうさく)鉄道にある踏切です……と書いても、わけが分からないですよね。「鋼索鉄道」はケーブルカーのことです。日本語よりも英語の方が意味を理解しやすい単語ですね。つまり、ケーブルカーの線路に踏切があるのです。

ケーブルカーは皆さんご存じの通り、ケーブル(鋼索)を車体につなげて山の斜面を上下しています。だから、線路を横切ろうとするとケーブルが邪魔になります。そのため、一般的にはケーブルカーの運行ルートに踏切はありません。しかし、ここは例外的に踏切があるのです。それも、ご覧の通り、乗用車が堂々と渡る立派な踏切です。だから「ロープ」……つまりケーブルカーのケーブルに注意してくださいね、という注意書きがあるのです。

では、「みぞ」は何でしょう?
踏切を渡るとき、皆さんは足元の何に注意をしますか? レールですよね? レールは鉄道車両の車輪が通過するところだから、踏切道もレールの部分は切れていて、うっかりするとつまずいたりしかねません。ケーブルカーの場合には、そのレール部分に加えて「ロープ」の部分も踏切道が切れています。ですから、線路一つを超えるだけで、レール2本と「ロープ」の合わせて3つの切れ目が踏切道についていることになります。写真をクリックして拡大すると、その様子がある程度わかっていただけるかと思います。まして、ケーブルカーが動き始めると「ロープ」が動きますから、つまずいて手や足でも挟んだら大変、大けがをしかねません。だから「みぞ・ロープ」に注意してねという案内があるわけです。

ところで、この写真の踏切には、随分と線路が多く写っていると思いませんか?よくよくみると4本あります。一般的にケーブルカーは単線で、ちょうど中間部分で線路が左右に分かれて上下の車両が交換するようになっています。その中間部分の交換する場所に、この踏切は設けられているのです。さらに、この近鉄生駒鋼索線は、ケーブルカーが2本並行に敷かれている珍しい路線です。ですから、この中間部分は4本もの線路となっているわけです。ケーブルカーは通常、片方しか運転していませんが、宝山寺への参詣客が多いときなどには両方とも動かすのだそうです。

場所は、奈良県のもっとも大阪寄りです。近鉄奈良線・けいはんな線・生駒線が合流する生駒駅が最寄り駅となります。この生駒駅からすぐのところに、ケーブルカーの鳥居前という駅があります。
同駅から宝山寺までの0.9kmを結ぶのが生駒鋼索線の宝山寺1号線と宝山寺2号線です。その中間に今回紹介した踏切があるわけです。ちなみに、この鳥居前~宝山寺間は大正7年に開業した、日本で最初のケーブルカーです。宝山寺からはさらに1.1kmの山上線があり、生駒山上遊園地への足としても活躍しています。それだけに、走っているケーブルカーの車両は犬や猫をあしらった装飾をしているなど楽しいものです。
ちょっと珍しいケーブルカーの踏切へ行くには、線路沿いの急な坂を歩かなければならないのですが、麓側から踏切がある中間部分までは傾斜が比較的緩やかですので、健康作りも兼ねて踏切ウォッチに出かけてみてはいかがでしょうか?なお、同線の自動車が渡ることができる踏切はこの1つだけですが、それより麓側の鳥居前駅寄りには歩行者専用の踏切も2つありますので、あわせて楽しむと良いでしょう。

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