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峠の釜めしは「サイボーグ009」だった!? JR横川駅・峠の釜めし【前編】

峠の釜めしさほど駅弁に興味のない方でも、この名前は耳にしたり、食べたりしたことがあると思います。そう「峠の釜めし」です。メーカーは明治18年創業の「おぎのや」。かつては碓氷峠を越えて軽井沢駅へと向かうお客で栄えた横川駅、その駅前に「おぎのや」はあります。峠の釜めしはサービスエリアやドライブン、軽井沢の各所で売られ、「横川の」釜めしといった通り名は薄れつつありますが、その知名度と人気は健在です。百貨店やスーパーなどの駅弁フェアですと、たいてい峠の釜めしだけは「○時○分の到着です」と張り紙がしてあり、整理券を配っていたり、今や遅しと長蛇の列ができていることもよくみかけます。現在の駅弁ブームの先駆者であることは間違いないですね。単に人気先行で、益子焼の器が珍しいだけではなく「味」がしっかり伴っているからこそ、現在の人気があるのだと思います。これまで幾度となく食べましたが、今回「おさらい」の意味で再度いただいてみました!

フタを取ると具材がぎっしり。思わず顔がほころびます。まず最初に味わいたいのは鶏肉。鶏肉自体は駅弁の具としてまったく珍しくありません。でも、峠の釜めしの鶏肉は美味!ほのかに甘味があって、仕込みの良さと素材の良さを感じます。

峠の釜めしごぼうのささがきは野趣溢れつつどこか品のある味。たぶんお酢が利いているから、そう感じるのだと思います。たけのこはしゃっきりこりこりとした食感が楽しいですし、椎茸は大ぶりで肉厚。栗はまろやかな甘味で、中央に置かれたうずらの卵は、口の中が「濃い味」で満ちたときにフッと一息つかせてくれます。紅ショウガもまたしかり。紅ショウガを口にした後にかじるアンズの実。じつに素朴で懐かしい味です。果物なのにデザートではないというか、れっきとしたおかずとして楽しめます。彩りを添えるグリーンピースもご飯とよく合います。そう!ご飯がまた美味い!すべての具材の味がしみているような感覚になります。温かくても、冷めても美味しいです。

それにしても、これだけ甘いものや酸っぱいものなど、味の異なるおかず同士が喧嘩せず、お互い協力して「峠の釜めし」という味覚を作り上げているところが凄い。鶏、椎茸、栗、ごぼう、たけのこ、うずら、紅ショウガ、アンズ、グリーンピースでおかずは計9つ。おもわず石ノ森章太郎先生の名作「サイボーグ009」を思い出してしまいました。個性派揃い!

そして残った陶器は、実際にご飯を炊くことができるスグレモノ。おぎのやのホームページの料理教室コーナーでは、実際にお釜を使った料理のレシピが載っていました。これはちょっとしたホームパーティーなどにもよさそうですね。

さて、次回は歴史深い峠の釜めしのこぼれ話についてご紹介したいと思います。


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