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【週刊ノリスケ】 最新型の路面電車に乗ってきました

試験線上のSWIMO-X

路面電車というと「古くさい」とか「時代遅れ」というイメージで、世界的に撤去が行われた時代もありました。しかし、欧米からその長所を見直す動きが生まれました。自動車社会というイメージが強いアメリカですら、日本では路面電車廃止が相次いでいた1970年代に、LRTと名付けた新時代の都市内鉄道システムを提唱し、実際に建設しています。

この新世代の路面電車は、その使われ方や路線の選定を都市計画の一部として政策的に決定された総合的な輸送システムを指します。これは、世界的にアメリカで提唱されたLRT(=Light Rail Transit)と呼ぶのが一般的のようです。直訳すれば「軽量軌道輸送機関」ですが、イメージが浮かび難いため「次世代路面電車」と呼ばれる事もあります。

交通弱者への福祉という側面も持ちますので、バリアフリーが求められ、このような目的に沿って開発されたLRT用の車両はLRV(=Light Rail Vehicle)と呼ばれます。本格的なLRTの導入は、今のところ国内では富山ライトレールくらいですが、路面電車近代化の第一歩としてLRVは国内各地で導入されています。その一例を、本年5月13日の記事でも紹介しました。

さて、国内鉄道車両メーカーで上位に位置する川崎重工業では、電池駆動式LRVの開発を以前から進めておりました。その成果である実験車両「SWIMO-X」が完成し、19日にマスコミ向けの試乗会が開催されました。SWIMOとは「Smoothな乗降、Smoothな非電化区間への直通運転を達成する(WIn)移動手段(MOver)」というコンセプトからの命名だそうです。

ドア部分の床面高さは、一般的な歩道の高さとほぼ同じ330mmで、通常の路面電車の停留所ホームから段差無く乗車ができます。動力源はモーターで、電化区間ではパンタグラフを通じて架線から取り入れた電気により走ります。非電化区間では、客室座席下に搭載したニッケル水素蓄電池「ギガセル」から供給された電気で走ります。ブレーキをかけた場合、モーターが発電機の働きをしますので、この時に生じた電気はギガセルの充電に使われます。このシステムにより、電池だけでも10km程度を走る性能を持っています。充電は、この他にも電化区間での停車中にも行われるそうです。5分間の急速充電で、蓄電池容量の約2割の充電が可能な能力を持っていますので、走行線区では全区間の電化は不要で、停留所付近だけ電化というような設備でも走行可能です。

電化設備が部分的で済むとなると、建設費が節減できるだけでなく、都市美観の面で好ましくないとされる市街地での架空電線も必要なくなります。同社では、この利点を生かして、既存路面電車の安価な延伸や、折り返し停留所のみ電化する安価な路線新設、既存電化区間を結ぶ路線の安価な新設などを想定しているようです。すでに同社には、国内外からの問い合わせが寄せられているそうです。

一方、ギガセルは同社が開発した大型ニッケル水素蓄電池です。電車用として開発したわけではなく、さまざまな活用が考えられているようです。独自に進められていた低床電車の開発とタイミングが一致したことで、両者を組み合わせ、より魅力的な商品の開発が可能となったようです。

今回の試乗は、同社播磨工場内に新設された試験線の非電化区間で行われました。ギガセルのみでの走行でしたが安定しており、加速も電池走行とは思えないスムーズなものでした。同社が7年かけて開発した低床電車だけあって、車内はすっきりしており、ギガセル搭載にこだわらなければ、今すぐにでも商品化できそうな印象を受けました。

今後も試験走行を続けて、課題を洗い出し、2008年度には量産化の目途をつけたいそうです。試験走行は、今回用いられた試験線だけではなく、寒冷地での試験を北海道の既設路面電車でも行うそうです。試乗会場では具体的な路面電車名は明かされませんでしたが、すでに札幌市では、川崎重工業製試験電車の冬季試験走行を行う旨の発表が行われております。さらに、この実験車両の規格で走行が可能なのは、北海道では札幌市電しかありません。このような状況ですから、札幌市街地を走る様子が、この冬にはみられそうです。ただ、こちらは営業線区だけに、夜中の走行になるかもしれませんね。前述の札幌市の発表では、鉄道総合研究所で開発した電池駆動式低床試験電車も冬季試験走行を実施すると発表されていますので、違ったタイプの試験電車も見られるかもしれません。

早く、実用化されたSWIMOなどの電池駆動式低床電車に乗ってみたいです。

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