
国鉄からJRに引き継がれた連絡船には、青函航路・宇高航路・宮島航路の3航路ありましたが、青函トンネルと瀬戸大橋の開通により、JR発足後1年ほどで宮島航路のみになってしまいました。青函航路・宇高航路は本州と北海道・四国を結ぶ幹線でしたが、宮島航路は山陽本線宮島口駅と宮島を結ぶ言わばローカル線で、一般的な国鉄連絡船のイメージと異なっていました。今あるJRの航路としては、JR九州が子会社に運航させている博多・釜山(韓国)間の国際航路もありますが、こちらは国鉄時代の航路を引き継いだものではありません。
そういうわけで、JR西日本の宮島航路は、国鉄連絡船最後の生き残りです。本航路は、1902(明治35)年に開業した宮島渡船会社の航路を、1903年に現在の山陽本線を運営していた山陽鉄道(株)が買収したものです。1906年に山陽鉄道が国有化されたことから国鉄の航路となり、日本を代表する観光地である宮島への路線として運航が続けられました。
国鉄から引き継いだ際に運航されていた3隻の船のうち、「みせん丸」と「みやじま丸」は、JRになってから同名の新船にリニューアルされており、国鉄から引き継いだ船は「ななうら丸」のみになっています。国鉄時代からの船と言っても、就航はJR化直前の1987年2月でしたから、全船がJR世代と言ってもおかしくありません。
宮島に渡る航路には、並行して運航される広島電鉄系の宮島松大汽船もあり、広島電鉄の「一日乗車乗船券」や「宮島フリーパス」では、こちらにしかのれません。この両航路、宮島口桟橋は隣接しており、宮島桟橋は県営ターミナルを共用してますので、立地条件に差はありませんが、JRでは特徴を出すために、この写真のように日中の宮島行きの便は、少し迂回して厳島神社の鳥居の近くを通るようにしています。そういうわけで、宮島に渡る際には、JR航路をお勧めします。航路の運賃は僅か170円ですから、広島電鉄のチケットをお持ちでも片道はJRを利用という手もありだと思いますよ。