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「海の幸」を育てる「森の恵み」JR厚岸駅・かきめし【後編】

かきめし「“R”のつかない月には牡蠣を食べるな」という言い伝えをときおり耳にします。5月(May)から8月(August)はNG、それ以外の月はOKということですが、今となってはちょっと勝手が違います。確かに夏場の牡蠣は産卵を迎えるため身がやせ細るという一面もありますが、たとえば岩牡蠣などは夏が旬。暑い夏の夜、絹肌のように白い岩牡蠣にレモンをキュッと絞り、一口で一気に食べて冷酒をあおる・・・酒飲みには堪えられない夏の醍醐味ですよね。また、気温が高く細菌が繁殖しやすい夏場、牡蠣には注意しろという意味合いもあると思いますが、昔と今とでは輸送や冷蔵の技術も雲泥の差。以前ほど「“R”のつかない月」を過剰に意識する必要はなくなったと思います。

では逆に、いつの牡蠣が美味いのか?これも牡蠣の種類によりけりですが、一般的には冬場といえます。ただ、「4月もイケる」という話も以前耳にしました。雪解けによって栄養を含んだ水が海に流れ込み、牡蠣が肥えるというわけです。そう、美味しい魚介類が育つには、プランクトンが豊富な「肥えた海」とともに、「肥えた山や森」も必要なんです。

厚岸の牡蠣もまたしかり。厚岸湖畔には今でも大きな貝塚が残り、古くから牡蠣が食べられていたことを今に証明していますが、昭和初期には絶滅の危機に瀕しました。その理由のひとつといわれているのが、開拓などによって森が切り開かれたこと。木々がなくなったために大量の泥が海へ流れ、その結果、牡蠣の育つ環境が悪化しました。そこで昭和30年代に入り、標茶町と厚岸町において大々的に造林が行われました。1万ヘクタールに及ぶカラマツの森は「パイロット・フォレスト」と呼ばれ、森林の復活とともに牡蠣もだんだんと復活していったそうです。現在でも厚岸の猟師さん達の中には、実際に木を植える活動を行っている人もいます。

かきめしそんな厚岸の地で、今の季節にふさわしい観光スポットといえば国泰寺。北海道を代表する桜の名木があります。厚岸湖を臨む子野日(ねのひ)公園も桜の名所として有名。例年5月中旬から下旬にかけて「あっけし桜・牡蠣まつり」が開かれます。「桜と牡蠣」の両方を楽しめるとは、なんとも贅沢ですよね。ちなみに10月上旬には「あっけし牡蠣祭り」が開かれ、牡蠣をはじめ、アサリやシジミ、カニなどを炭火焼で味わい尽くすことができます。魅力はその価格!大振りの牡蠣が100円前後ですので、「しばらくは牡蠣を見たくない」と思うまで「食いだめ」したいところです。

釧路と根室をつなぐ根室本線は、海や湖、湿原、森林、牧場など、北海道の自然を満喫できる“気分爽快”な路線です。ガタゴトと列車に揺られつつ「かきめし」に舌鼓を打ってみてはいかが?

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